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【書籍】「一汁一菜でよいという提案」土井善晴先生が教えてくれた3つのこと

料理を作るのは嫌いじゃないけど、苦手です。

家族の食事には、ちゃんとしたものを食べさせてあげたいと思うのに、
レパートリーは限られているし、毎日の献立を考えることに苦戦しています。

そんな想いに捉われている人を救ってくれる一冊。

一汁一菜のスタイルを実践して3か月が過ぎましたが、料理を無理なく作ることが
できるようになり、素材に気を配ることが楽しくなっています。

なんだかプレッシャーだったことが、概念ごと書き換えられました。
今まで、何に捉われていたのかわからないけれど、解き放たれた感覚があります。

よく食べることはよく生きること

私たちは生きている以上、食べることからは逃れられないのです。

便利な時代ですから、外食もできますし、お総菜を買ってきたり、コンビニに行けば食べるものには困りません。

それでも、やっぱり料理しないことに後ろめたさを感じてしまうのも事実。

どうしてそうなるのかといえば、やっぱり自分が作ったお料理で家族を喜ばせたいと思っているからなんですよね。

自分と家族が元気で健康になれる食事をつくりたいと思う気持ちを大切にしたいからじゃないでしょうか。

そもそも料理が苦しくなる原因は、日常の食事に特別なものを作ろうとするから辛くなるんです。

日本人の生活には特別な日を表現する「ハレ」と日常の「ケ」が存在しています。

現在の食生活は、いわゆる「ハレ」の日のごちそうメニューが日常の食事と混在しているからややこしくなるのです。

本来日常の食事は、自分や家族の健康を考え体が喜ぶやさしいものを作ればいいのです。

一汁一菜を日常の食事の型と決めてしまいましょう

炊き立てのご飯に具沢山のみそ汁と漬物を、日常の食事の型ときめてしまう。日本人が古来より、培ってきた食事のスタイルに戻すのです。

おかずをわざわざ考えなくても、ごはんとみそ汁を作り、みそ汁を具沢山にすれば、それは十分におかずを兼ねるものとなります。発酵食品の味噌で味をつければ、体を気づかったバランスのよい食事ができるのです。

私たちは、食事を作って食べることを通して自然とつながり、生きていく力を磨いているのです。人間は自然の中の一部なんだと理解でき、おおらかな気持ちを持つことができるようになりました。

料理をすることは、自然と社会とつながること

戦後、日本人の食生活は主菜、副菜と栄養学を基にした料理が基準となってしまったことで、元来日本人が持っていた食生活がかわってしまったのです。

土井先生の提案は、いま改めて日常に、ごはんとお味噌汁とお漬物といった一汁一菜のスタイルを、定番にしていこうということです。

それは、手を抜いていることではなくて、日本の伝統的な食の知恵だったこと思い出させてくれました。

日本人が文化として培ってきたものを改めて見直し、食材を通して社会や自然を学んでいることを理解すれば、料理に対して無理をしていたことに気づけます。

料理が苦手でも、日常の食事をシンプルにし、体にやさしいものを食べることが大事です。

発酵食品であるみそを使うことは健康の基礎、具沢山のみそ汁が人を元気にしてくれることだけ知っていれば何とかなります。

人間は自然の一部なのです。そんな当たり前のことに気づかせてもらえました。